窓辺の女の向かいの家の女
信用できない語り手、という感じの立場に自分自身が置かれた女の人が主人公の、ミステリーとかサスペンス、スリラー寄りのコメディ
自分を信じて突っ走るタイプの人だけれど、一晩寝た詐欺師の男が殺人者だったって警察に言われて信じて落ち込んじゃうくらいには普通の人
急展開がめっちゃ多くて、長くて30分無いようなミニドラマだから一気観はかなり楽
ミステリーとして、とかコメディとして、とかだとあんまり秀でた評価はされないけど、ミニドラマ作品として見た時はめっちゃファン居そうな面白作品
何より主人公が美人で胸のライン強調した服をよく着てる
何度も出てきたコルク栓いっぱい入ったガラスの入れ物が好きだった
闇はささやく
観ながら書いた文章:
冒頭、何ら繋がりがないように思える映像には(上から滴り落ちる血、ソファに立つ少女と、その少女を抱いて走る男の映像)、寒々しさというよりも、夜との境目である薄明の時間に特有の不安と焦燥を感じる。青白い明るさの傍らにある暗闇をいやでも想起させられた直後、案の定子供の誕生日パーティーで華やかな場面の裏で嘔吐行為を行うキャサリンの姿が呆気なく描写される。ほとんど間髪入れずに心霊現象らしきイベントがセックスの後にあっさり発生する辺りで、大体のオープニングイメージは見せつけられた。
これはたぶん映画の自己紹介みたいなもんで、映画全体の雰囲気を匂わせるようにわざわざ描写する時は大体堂々と制作がクリエイティブな事をやり始める。真面目な奴が変なことしたら印象に残る感じで、一風変わった事をやる為の下敷きが出来るんですね。大体のホラー映画は急ピッチで作ったスロープ感あってどことなく嘘臭く見えるもんだけど、この映画に関してはアートっぽい作風も相まって馴染みはしてたかな。その辺の作りは上手でした。
屋敷へ引っ越す、なんてプロットも含め、ホラー映画観てると不思議なぐらい出会うありきたりな映画は、挑戦的な作風が多いカテゴリーだから余計目立ってしまって、地味な展開が続いていると、「あ、またこんな感じのやつか…」ってなるんですけど、まあこれに関しては何度か観れるなーってなれるくらい感じが良いシーンが多いです。展開は平坦でありふれてると言わざるを得ないけど、映像のおかげですね。まあ、クオリティ高く作ってくれる分には大好きだから良いんです。
今作の場合は、平易な設定の中に前提知識の要るオカルト要素とアート要素が入れられてて、その理解が難しい感じです。観れはするんですけどね。観てて嫌な感じのする情景は皆無に近かったし、ただその世界にどっぷり入り込むために必要な知識やら情熱やらを抱くには、幽霊屋敷への引っ越しっていうありふれたプロットでは難しかったかな。それに幾つかプロットが並行してる。
挑戦的な作風じゃないみたいな事書いたけれど、よくよく考えてみたら、この手の知識必要でなおかつありがちな設定の映画って、かなりカルト映画になりづらいのにそれっぽい作りしてたり、挑戦的でしたわな。そんで多分失敗したって感じですね。
あんまり評判良くないみたいですが、似たような作品がネタバレや考察記事の存在無しに高評価獲得してるのを観るに、きっと敷居の問題なのかな。恐怖描写もどこか幻想っぽくて実存を感じない。どこまでも現実的な恐怖が旦那であり、それに関しては実存しているのにも関わらず、もう一方の恐怖である心霊現象が頑なに幻想から所在を変えようとしない辺り、きっと観る方もどこに軸を置いて良いのかわからない。ただまあ、観続ければ愛せはする。
個人的には勉強してもっかい観たら面白くなってきて、アート映画特有の何回でも観れる感じにハマったりしたら誰しもがカルト的に愛せる気がします。
映像は全部綺麗。所々外してるけど全体的に幻想的な文学作品みたい。齧り付いて観てたら、幽霊パートと旦那パートの怒涛の交代に全然飽きないと思う。
ぼくがこの映画を観た上で似たような小説書けって言われたら、どうしようね。少なくともプロットは一本に絞りたいかな。
ホラー映画って似たような設定の映画で似たようなストーリーの奴多くて、これはわりと次の展開予想出来るんだけど、その上で楽しめた。
恐怖描写がなあ、あくまでアート映画のスパイス的な扱いだったんだけど、それでもオンリーワンって感じの映画でした。大好き。
以下Wikipediaから引用
闇はささやく | |
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Things Heard & Seen | |
監督 | シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ |
脚本 | シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ |
原作 | エリザベス・ブランデイジ『All Things Cease to Appear』 |
製作 | ステファニー・アズピアズー ジュリー・コーエン ピーター・クロン アンソニー・ブレグマン |
製作総指揮 | ピーター・パストレッリ スティーヴン・リプロス |
出演者 | アマンダ・サイフリッド ジェームズ・ノートン ナタリア・ダイアー アレックス・ニューステッター |
音楽 | ピーター・レイバーン |
撮影 | ラリー・スミス |
編集 | ルイーズ・フォード アンドリュー・モンドシェイン |
製作会社 | ライクリー・ストーリー |
配給 | Netflix |
公開 | 2021年4月29日 |
上映時間 | 120分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
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キャスト
※括弧内は日本語吹替声優。
- キャサリン・クレア:アマンダ・サイフリッド(小島幸子)
- ジョージ・クレア:ジェームズ・ノートン(小松史法)
- ウィリス・ハウエル:ナタリア・ダイアー(Lynn)
- エディ・ヴァイル:アレックス・ニューステッター(岩中睦樹)
- ジャスティン・ソコロフ:レイ・シーホーン(藤貴子)
- トラヴィス・ロートン:マイケル・オキーフ(浦山迅)
- メア・ロートン:カレン・アレン(土井美加)
- コール・ヴァイル:ジャック・ゴア
- フロイド・デビアス:F・マーレイ・エイブラハム(沢木郁也)
- エラ・ヴァイル:エミリー・ドーシュ
- フラニー・クレア:アナ・ソフィア・ヘージャー(本保佳音)